管理組合の教科書

管理組合理事会の定足数を確認する方法

最終更新: 2026年6月21日

理事会を開いたものの、出席者が少なくて決議できるのか不安になることがあります。定足数の確認は地味ですが、後日の説明や議事録作成に関わる重要な作業です。

結論

理事会の定足数は、管理規約や細則に定められた「会議を成立させるために必要な出席数」です。開催前に理事の総数、出席予定者、委任やオンライン参加の扱いを確認し、議事録にも出席状況を残します。

1. 定足数の意味を整理する

定足数とは、会議を成立させるために必要な出席者数のことです。理事会で議題を話し合っても、定足数を満たしていない場合、正式な決議として扱いにくくなることがあります。

管理組合の理事会では、管理規約や細則に、理事の何名以上で成立するかが定められている場合があります。標準的な考え方はありますが、実際の扱いは各マンションの規約によって異なります。

まず確認するのは、理事の総数です。理事長、副理事長、会計担当、監事などの役職がありますが、監事を定足数に含めるかどうかは規約の書き方によります。役職名だけで判断せず、規約の条文を確認します。

実務では、理事の定数と現在選任されている人数がずれていないかも見ます。欠員がある場合、定足数を定数基準で見るのか、現員基準で見るのかは規約の文言確認が必要です。疑問が残る場合は、議案を急いで採決せず、管理会社や専門家に確認したうえで議事録に経緯を残します。

2. 出席者の数え方を確認する

定足数を確認するときは、実際に会議に出席する理事の人数を数えます。対面出席のほか、オンライン参加、書面参加、代理出席、委任状の扱いが問題になることがあります。

オンライン参加を認める運用がある場合でも、議事に参加できる状態か、本人確認ができるか、議決時に意思表示できるかを確認します。書面や委任状を定足数に含めるかは、規約や理事会運用によって扱いが分かれます。

欠席者が多い場合は、開催前に出席予定を確認し、定足数に届かない見込みなら日程変更を検討します。無理に開催しても、重要な議案を決められない可能性があります。

出席確認は、会議当日の受付だけでなく、開催案内を出す段階から行うと安定します。特に理事の人数が少ないマンションでは、一人の欠席で定足数に影響することがあります。予定が変わりやすい理事がいる場合は、予備日を設定する、重要議案を次回に回す条件を決めるなど、事前の段取りが役立ちます。

オンライン参加を使う場合は、接続できた時点ではなく、議題説明を聞き、質疑に参加し、採決時に意思表示できる状態かを確認します。途中で通信が切れたときの扱いも決めておくと、採決時の人数確認が混乱しにくくなります。会議案内に参加方法と接続確認の時間を入れておくと、当日の事務負担を減らせます。

3. 議決に必要な数も別に確認する

定足数を満たしていることと、議案が可決されることは別の話です。会議が成立していても、議決に必要な賛成数を満たさなければ決定できない議案があります。

理事会の通常議案は、出席理事の過半数などのルールが置かれることがあります。ただし、管理規約の改正や大きな費用を伴う事項などは、理事会だけで決められず、総会議案として扱う必要がある場合があります。

そのため、理事会では「今日決められる事項か」「総会に出すための審議か」を分けて整理します。議事録にも、審議事項、決議事項、次回確認事項を分けて書くと、後で見返しやすくなります。

採決前には、出席理事数、議決に参加できる人数、賛成数の数え方を声に出して確認します。利害関係がある理事の扱いや、途中退席者がいる場合の人数は、後で説明が必要になることがあります。数字を黒板や資料に書いてから採決すると、出席者全員が同じ前提で判断できます。

4. 議事録に出席状況を残す

理事会が終わったら、議事録に開催日時、場所、出席理事、欠席理事、監事の出席有無、定足数を満たしている旨を記録します。オンライン参加者がいる場合は、その参加方法も記載しておくと確認しやすくなります。

定足数に関する記録があいまいだと、後で「その決議は有効だったのか」と疑問が出ることがあります。特に工事発注、予算使用、総会議案の決定などは、出席状況を丁寧に残します。

理事会のたびに同じ確認をするのは手間に感じますが、チェック欄を議事録テンプレートに入れておけば負担は小さくなります。引き継ぎ時にも役立ちます。

また、途中退席者がいる場合は、どの議案の時点で出席していたかを簡単に残すと確認しやすくなります。すべての議案で同じ出席者とは限らないため、重要議案では採決時の人数を議事録に書く運用が有効です。

議事録テンプレートには、理事総数、出席理事、欠席理事、監事出席、オンライン参加、定足数確認者、採決時の賛否を欄として入れておきます。毎回同じ欄で記録すれば、次期理事会も同じ基準で確認できます。定足数の確認は地味ですが、議事録の信頼性を支える基本作業です。

定足数の確認は、会議冒頭だけで終わらせると、途中退席やオンライン接続切れに対応しにくくなります。特に工事発注、予算使用、総会議案の提出など重要な議案では、採決直前にも出席人数を確認します。議案ごとに人数が変わった場合は、議事録に「第○号議案採決時点の出席理事数」として残すと後日の確認がしやすくなります。

少人数の理事会では、欠席者が一人出るだけで会議成立に影響することがあります。開催案内を出す時点で出欠回答期限を設け、定足数に届かない見込みなら日程変更や議案の扱いを早めに決めます。重要議案を扱う回は、予備日、オンライン参加の接続確認、委任や書面参加の扱いを事前に確認しておくと、当日の進行が安定します。

定足数の確認を定着させるには、議事録テンプレートと開催案内をセットで見直します。開催案内には、出欠回答の期限、オンライン参加の方法、欠席時の連絡先、議案の重要度を入れます。議事録には、会議成立確認、採決時人数、賛否数、保留事項を同じ順番で記録します。毎回の作業を定型化すると、理事が交代しても同じ水準で確認でき、後日の説明もしやすくなります。

まとめ

理事会の定足数は、会議成立の前提となる出席者数です。理事の総数、出席者の扱い、議決に必要な数を確認し、議事録に出席状況を残すことで、管理組合の意思決定を説明しやすくなります。

この記事について 本記事は、管理組合の一般的な実務整理を目的としています。個別の判断は、各マンションの管理規約・使用細則・総会決議・管理委託契約等により異なります。重要な判断では、管理会社、マンション管理士、弁護士等への確認も検討してください。
最終確認日: 2026年6月20日 / 参照: 区分所有法、マンション標準管理規約(国土交通省)

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