最終更新: 2026年7月11日
エントランス・共用廊下・駐車場・階段室など、蛍光灯照明が残っているマンションは今も少なくありません。水銀に関する水俣条約に基づき、蛍光灯は種類ごとに製造・輸出入の禁止時期が定められており、電球形蛍光ランプは2026年末、直管形・環形蛍光ランプは2027年末が期限です。交換部品の確保が徐々に難しくなる前に、共用部LED化の決議要件・費用負担・補助金活用の考え方を整理します。
水銀に関する水俣条約第5回締約国会議の決定に基づき、コンパクト形(電球形)蛍光ランプは2026年12月31日、直管形・環形蛍光ランプは2027年12月31日をもって製造・輸出入が禁止されます(在庫品の販売・使用自体は禁止されません)。既存の照明器具をそのまま使い続けることは可能ですが、蛍光灯の調達が年々難しくなることが見込まれるため、器具の更新時期に合わせてLED化を検討する管理組合が増えています。既存の照明器具を機能維持の範囲でLED照明に交換する工事は、区分所有法上の軽微変更として普通決議(総会での過半数の賛成)で足りると整理されるのが一般的ですが、配線の大幅な変更やデザインを大きく変える工事は重大変更として特別多数決議が必要になる場合があるため、着手前に工事内容を管理会社・施工業者に確認し、決議区分を整理しておくことが実務上の要点です。あわせて、自治体によっては共用部LED化の補助金制度を設けている場合があるため、着手前に所在自治体の窓口へ確認しておくと初期費用を抑えられる可能性があります。
水銀による健康・環境への影響を減らすための国際条約である「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議(2023年10月〜11月開催)で、一般照明用の蛍光ランプ(蛍光灯)の製造・輸出入を段階的に禁止することが決定されました。具体的には、コンパクト形(電球形)蛍光ランプが2026年12月31日、直管形・環形蛍光ランプが2027年12月31日をもって製造・輸出入が禁止されます。禁止されるのは製造と輸出入のみで、既に流通している在庫品の販売・購入・使用は禁止されません。ただし、禁止後は交換用の蛍光灯を市場で調達すること自体が年々難しくなっていくことが見込まれるため、共用部の照明が古い蛍光灯器具のままになっているマンションでは、器具の寿命や球切れのタイミングに合わせてLED化を検討する動きが広がっています。
区分所有法上、共用部分の変更は「軽微変更」と「重大変更」に区分され、決議要件が異なります。既存の照明器具を、機能を維持したままLED照明器具に交換する工事は、共用部分の形状・効用の著しい変更を伴わない軽微変更に該当すると整理されるのが一般的で、総会の普通決議(議決権総数の過半数が出席し、出席者の議決権の過半数の賛成)で足ります。一方で、照明の配置や配線ルートを大きく変える工事、意匠を大きく変更する工事などは、共用部分の形状・効用の著しい変更として重大変更に該当し、特別多数決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成)が必要になる場合があります。実際にどちらの区分に該当するかは工事の内容・規模によって個別に判断が分かれるため、着手前に管理会社や施工業者に工事内容を確認し、決議区分を整理してから総会に諮ることをおすすめします。
LED化の工事費用は、共用部分の維持管理に関する支出として管理費または修繕積立金のいずれから支出するかを、規約・予算の枠組みに沿って総会で確認する必要があります。一般に、器具の更新は経常的な維持管理の範囲として管理費で賄うケースが多い一方、対象範囲が広く高額になる一括更新工事は、長期修繕計画に組み込んで修繕積立金から支出する管理組合もあります。LED照明は蛍光灯に比べて消費電力・交換頻度が抑えられる傾向があるため、初期費用と、電気代・交換部品費の削減効果や器具の寿命を踏まえた回収期間の見通しを、複数の施工業者から見積もりを取って比較することが実務上のポイントです。
マンション共用部のLED化について、費用の一部を助成する制度を設けている自治体があります。上限額や補助率は自治体によって幅があり、募集時期も年度末(1月〜3月ごろ)に設定されているケースが多く見られます。制度の有無・要件・申請時期は自治体ごとに異なり、予算枠に達し次第受付を終了する制度もあるため、工事の計画段階で所在自治体の環境・住宅関連の窓口へ確認し、工事契約前に申請時期・必要書類を把握しておくことをおすすめします。
Q: 蛍光灯はいつまで使えますか。
A: 禁止されるのは製造・輸出入であり、既に流通している蛍光灯の使用・購入自体は禁止されません。ただし、コンパクト形(電球形)は2026年12月31日、直管形・環形は2027年12月31日をもって新規の製造・輸出入ができなくなるため、交換用の蛍光灯の調達は年々難しくなっていくことが見込まれます。
Q: LED化の工事は理事会の判断だけで進めてよいですか。
A: 機能維持の範囲での器具交換は軽微変更として普通決議で足りると整理されるのが一般的ですが、工事の内容・規模によっては重大変更に該当し総会の特別多数決議が必要になる場合があります。着手前に管理会社・施工業者に工事内容を確認することをおすすめします。
Q: 自治体の補助金はどこで確認できますか。
A: 制度の有無・内容は自治体ごとに異なるため、所在自治体の環境政策・住宅政策関連の窓口へ直接問い合わせて確認することをおすすめします。募集時期が限られている制度もあるため、工事計画の早い段階での確認が実務上のポイントです。
蛍光灯は水銀に関する水俣条約に基づき種類ごとに製造・輸出入の禁止時期が迫っており、共用部照明の更新時期を見据えたLED化の検討が実務課題になっています。器具交換のみのLED化は軽微変更として普通決議で足りると整理されるのが一般的ですが、工事内容によっては重大変更に該当することもあるため、着手前に決議区分を確認することが必要です。費用面では、工事費とランニングコスト削減効果の見合いを複数見積もりで比較し、自治体補助金の有無・申請時期も早めに確認しておくことで、初期負担を抑えながら計画的に進めやすくなります。
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