最終更新: 2026年7月8日
管理会社から契約更新のタイミングで「管理委託契約を電子契約に切り替えませんか」と提案されるケースが増えています。押印・郵送の手間が省ける一方、管理組合側は法的な位置づけや保管ルールを理解しないまま進めると、あとで確認に困ることがあります。本記事では、管理委託契約を電子契約化する際に理事会が確認しておきたいポイントを整理します。
管理委託契約の電子契約化を検討する際は、①電子署名の方式(本人が署名する当事者型か、事業者が本人確認を代行する立会人型か)、②総会決議や規約変更が必要かどうか、③契約書の保存方法とアクセス権限・引き継ぎ方法の3点を契約前に確認することが重要です。個別の適否は管理規約の内容によって異なるため、必要に応じて管理会社・専門家に確認してください。
電子契約は、紙の契約書に押印する代わりに、専用サービス上で電子的な署名・タイムスタンプを付与して契約を締結する方法です。電子署名法により、一定の要件を満たす電子署名は手書きの署名・押印と同等の効力を持つとされています。
電子署名には大きく分けて、契約当事者本人が自分の電子証明書で署名する「当事者型」と、電子契約サービス事業者が本人からの指示を受けて署名を代行する「立会人型(事業者署名型)」があります。管理委託契約で多く使われているのは、導入コストが低く手続きが簡単な立会人型のサービスです。
管理委託契約の締結方法を書面から電子契約に変更すること自体は、多くの場合、契約の締結方法の変更にとどまり、管理委託契約の内容(委託業務の範囲・費用等)が変わらなければ、総会決議が必須とは限りません。ただし、管理規約や使用細則に契約書の様式・押印方法について具体的な定めがある場合は、規約との整合性を確認する必要があります。
規約に抵触するかどうかの最終判断は管理組合ごとに異なるため、疑義がある場合はマンション管理士など専門家に確認することが現実的です。
電子契約サービスを使うこと自体よりも、運用面の確認が実務上は重要になります。
電子契約の法的有効性や、管理規約との整合性についての最終判断は、各マンションの管理規約・使用細則、締結する契約の内容によって異なります。本記事は一般的な整理であり、個別の契約の有効性や規約適合性を判断するものではありません。疑義がある場合は、管理会社、マンション管理士、弁護士等の専門家への確認を検討してください。
Q: 電子契約は書面での契約と同じ効力がありますか。
A: 電子署名法上、一定の要件を満たす電子署名は本人による署名・押印と同等に扱われるとされています。ただし個別の契約内容・サービスの仕組みによって要件充足の有無は異なるため、疑義がある場合は専門家に確認してください。
Q: 電子契約への切り替えに総会決議は必ず必要ですか。
A: 契約内容が変わらず締結方法のみの変更であれば、必須ではない場合が多いですが、管理規約の定め方によって異なります。規約に契約書の様式・押印に関する具体的な定めがある場合は確認が必要です。
Q: 管理会社を変更した場合、過去の電子契約データはどうなりますか。
A: 電子契約サービスは管理会社が契約している事業者のものであることが多く、管理会社変更後にアクセスできなくなる可能性があります。契約締結時にPDFをダウンロードして管理組合側でも保管しておくことが安全です。
管理委託契約の電子契約化は、押印・郵送の手間を減らせる一方、署名方式・規約との整合性・保存とデータ引き継ぎの確認が必要です。提案を受けたら内容を理事会で共有し、疑義があれば専門家への確認も検討したうえで判断してください。
書式・テンプレートをすぐ使いたい方へ
理事会・総会・管理会社変更・修繕など実務で使えるWord書式10冊をまとめたセットをnoteで販売しています。