管理組合の教科書

管理規約改正の手順|区分所有法と標準管理規約を踏まえた確認ポイント

最終更新: 2026年6月21日


管理規約は、マンションごとの運営ルールです。改正を検討するときは、思いついた文言をそのまま総会に出すのではなく、現行規約、区分所有法、国土交通省のマンション標準管理規約、住民説明の順に確認すると進めやすくなります。

結論


管理規約の改正は、現行規約の確認、改正理由の整理、標準管理規約との比較、案文作成、住民説明、総会決議という順で進めます。令和7年10月17日に改正されたマンション標準管理規約も参考にしつつ、最終的には各管理組合の現行規約と議案内容に沿って確認します。


本文


1. 現行規約と改正したい理由を確認する


最初に確認するのは、現在の管理規約のどの条項を変えたいのか、なぜ変える必要があるのかです。ペット、民泊、専有部リフォーム、電子化、役員選任、外部所有者対応など、テーマによって確認したい資料が変わります。


理事会では、現行規約、使用細則、過去の総会議事録、運用実態、住民からの要望を並べます。「困っているから変える」だけではなく、現行規約のどこが不足しているのか、細則の変更で足りるのか、規約改正が必要なのかを分けて整理します。

検討メモを作る場合は、条番号、現在の文言、困っている場面、改正で解決したい内容、影響を受ける人を1行ずつ書き出します。例えばペット飼育なら、飼育可否だけでなく、頭数、体長、共用部分での移動、苦情発生時の確認手順まで論点を分けると、後の案文作成で迷いにくくなります。

この段階で住民アンケートを行うときは、賛否だけを聞くより、困っている事実、頻度、発生場所、過去の対応履歴を分けて聞く方が実務に使えます。回答結果は個人が特定されない形で集計し、理事会資料には「何件程度の意見があり、どの論点が多かったか」を残しておくと説明資料に転用しやすくなります。


2. 区分所有法と標準管理規約を照らし合わせる


管理規約は、区分所有法を前提に作られます。また、国土交通省のマンション標準管理規約は、管理規約を作成・変更するときの参考になります。標準管理規約は令和7年10月17日に最終改正されているため、古いひな型や過去資料だけで判断しないことが大切です。


ただし、標準管理規約は自動的に各マンションへ適用されるものではありません。自分たちの規約と標準管理規約を比較し、違いがある部分、今回変えたい部分、変えない部分を表にします。法的な解釈が関係する場合は、管理会社、マンション管理士、弁護士などへ確認します。

比較表は、標準管理規約の該当条文、自分たちの現行規約、差異、採用する理由、採用しない理由の5列で作ると整理しやすくなります。特に外部所有者、電子的方法による通知や出席、役員資格、専有部分工事の扱いは、標準例と現行規約の差がそのまま運用差につながるため、理事会で確認日を記録しておきます。


3. 改正案文と新旧対照表を作る


改正案を作るときは、変更後の条文だけでなく、新旧対照表を用意すると説明しやすくなります。現行条文、改正案、改正理由、運用上の影響を並べると、理事会内でも住民向け資料でも使いやすくなります。


文案は分かりやすさだけでなく、他の条項との整合性も見ます。用語の使い方、対象範囲、例外の有無、使用細則との関係、違反時の扱いがあいまいだと、改正後の運用で迷いやすくなります。

新旧対照表には、削除部分、追加部分、文言だけを整える部分を分けて表示します。理事会内では、条文案の横に「なぜ変えるのか」「誰が運用するのか」「細則や申請書の変更が必要か」を添えると、総会資料に移す前の確認漏れを減らせます。

案文を確認するときは、同じ言葉が別の意味で使われていないか、対象者が区分所有者だけなのか占有者も含むのか、届け出や承認の期限を何日前にするのかを見ます。期限や提出書類のような数字を入れる場合は、管理会社の事務処理や理事会開催頻度に合うかも合わせて確認します。


4. 住民説明と総会議案を準備する


管理規約の改正は住民生活に関わるため、総会前の説明が重要です。説明資料には、改正の背景、現行規約の課題、改正案、標準管理規約との関係、実施時期、住民への影響を整理します。


総会議案では、何を承認してほしいのかが分かるようにします。決議要件、議決権行使書、委任状、質疑対応の扱いは、管理規約と総会運営のルールを確認します。数字や手続きに迷う場合は、事前に専門家へ確認しておくと安心です。

総会資料は、議案本文、新旧対照表、改正理由、施行日、関連する使用細則の扱いをひとまとまりにしておくと読み手が追いやすくなります。説明会や事前質問を設ける場合は、質問受付期限、回答方法、当日追加説明の有無を決め、同じ質問に対する回答が理事ごとに変わらないように記録します。

議決権数を確認するときは、総戸数ではなく、規約上の議決権、共有名義住戸、未提出の議決権行使書、委任状の扱いを分けて集計します。集計表には、出席、委任状、議決権行使書、賛成、反対、棄権を分けて残すと、議事録作成時にも確認しやすくなります。


5. 改正後の周知と運用記録を残す


総会で承認された後は、改正後の規約を配布・保存し、いつから適用するのかを周知します。掲示、配布、ウェブ掲載、管理会社からの案内など、住民に届く方法を組み合わせます。


改正の検討経緯、新旧対照表、総会議事録、住民からの質問と回答は、次年度へ引き継げるように保管します。規約改正は一度きりの作業ではなく、今後の運用を安定させるための記録づくりまで含めて考えることが大切です。

周知後は、管理会社の保管データ、管理組合の控え、ウェブ掲載資料、配布済み冊子の版がずれていないかを確認します。旧版が残ると問い合わせや申請書の判断が分かれやすいため、改正日、施行日、更新した資料名、差し替え担当を一覧にしておくと次年度の確認が短時間で済みます。


まとめ


管理規約改正は、現行規約、区分所有法、令和7年改正後のマンション標準管理規約、総会手続きの順に確認して進めます。新旧対照表と住民説明資料を整え、個別判断が必要な部分は専門家確認を前提にすると、改正後の運用も安定しやすくなります。



相談先を比較するときの考え方


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管理規約改正について外部サービスや専門家相談を検討する場合は、費用、対応範囲、相談できる内容、管理組合として必要な資料を確認してから比較します。すぐに申し込むのではなく、理事会で目的を共有し、複数の選択肢を並べて検討すると判断しやすくなります。

本ページの情報は一般的な実務情報の提供を目的としています。個別の法律相談・書類作成代行は行っておらず、利用により生じた損害について当サイトは責任を負いません。重要な書面は専門家(弁護士・社労士・税理士等)にご相談ください。
この記事について 本記事は、管理組合の一般的な実務整理を目的としています。個別の判断は、各マンションの管理規約・使用細則・総会決議・管理委託契約等により異なります。重要な判断では、管理会社、マンション管理士、弁護士等への確認も検討してください。
最終確認日: 2026年6月20日 / 参照: 区分所有法、マンション標準管理規約(国土交通省)

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