管理組合の教科書

管理費のクレジットカード払い・キャッシュレス化|対応管理会社の見極め方と手数料・決議の考え方

最終更新: 2026年7月13日

管理費・修繕積立金の支払いは口座振替が主流ですが、「口座を開設していない」「引き落とし日に残高不足を起こしやすい」といった住民から、クレジットカード払いへの対応を求められる管理組合も出てきています。実際、一部の大手管理会社ではクレジットカード決済サービスが導入されている一方、対応していない管理会社も多く、マンションによって扱いが大きく異なるのが実情です。導入を検討する前に押さえておきたい仕組み・手数料・手続きの考え方を整理します。

結論

管理費・修繕積立金のクレジットカード払いは、大和ハウス工業や三井不動産レジデンシャルサービスなど一部の大手管理会社で導入が進んでいるものの、東急コミュニティーのように取り扱っていない管理会社も少なくなく、対応可否はマンションごとに異なります。同じ管理会社の管理物件でも、そのマンションでカード決済サービスを利用する契約を結んでいるかどうかで対応が分かれるため、まずは管理会社に対応可否を確認することが出発点になります。導入する場合は、カード会社に支払う決済手数料(利用額の数%)を誰が負担するかが実務上の論点になり、一般的には管理組合(区分所有者全体)の負担とする例が多いとされています。新たに決済手数料という支出項目が発生し、管理費・修繕積立金の使途にも関わるため、導入にあたっては管理組合として総会に諮り、承認を得たうえで進めるのが実務上の基本的な流れです。口座振替と選択制で導入している例が多く、全面的にクレジットカード払いへ切り替えるケースは少数です。

マンション管理費の支払い方法の現状

マンション管理費・修繕積立金の支払い方法として最も広く使われているのは口座振替です。金融機関への手数料負担が比較的小さく、管理組合・管理会社にとって未収金の管理がしやすいことから、多くのマンションで標準的な方法とされています。振込みによる支払いを併用しているマンションもありますが、コンビニ払いやクレジットカード払いに対応しているマンションは、口座振替・振込みに比べると少数派です。

クレジットカード払いに対応する管理会社・対応しない管理会社

クレジットカード払いへの対応状況は管理会社によって異なります。

この違いから分かるとおり、「管理会社名」だけでクレジットカード払いの対応可否は判断できません。現在契約している管理会社に、自分のマンションでカード決済サービスを利用できるかどうかを個別に問い合わせる必要があります。

専用の決済代行サービスという選択肢

管理会社が自社でクレジットカード決済の仕組みを持っていない場合でも、管理費のクレジットカード決済に特化した外部の決済代行サービスを利用する方法があります。例えば株式会社ファミリーネット・ジャパンが提供する「F-PAC」は、区分所有者が普段使っているクレジットカードで管理費・修繕積立金を支払える仕組みで、国際6ブランドに対応しています。決済代行会社が区分所有者からの支払いを回収し、指定の期日にまとめて管理組合(管理会社)へ送金する仕組みが一般的です。国内に銀行口座を持たない外国人の区分所有者・賃借人がいるマンションでは、こうした決済代行サービスが管理費収受の選択肢を広げる面もあります。

手数料は誰が負担するか

クレジットカード払いを導入する際に必ず確認すべきなのが決済手数料の負担者です。クレジットカード決済では、利用額に対して数%の手数料をカード会社(または決済代行会社)に支払う必要があります。この手数料は、最終的に管理組合(区分所有者全体)の負担となる例が一般的とされています。区分所有者ごとの管理費収入がそのまま目減りするわけではありませんが、管理組合の管理費会計から手数料相当額を支出する項目が新たに発生する点は、導入の可否を判断するうえで重要な論点です。手数料率・請求方法(管理組合が一括負担するか、カード払いを選ぶ区分所有者に一定額を上乗せするか等)は決済サービスによって異なるため、複数のサービス・管理会社の条件を比較したうえで検討する必要があります。

導入に必要な手続きの考え方

クレジットカード払いの導入は、次の理由から管理組合として総会に諮り、承認を得たうえで進めるのが実務上の基本的な流れとされています。

導入を検討する場合は、まず理事会で候補となる管理会社のサービス内容・決済代行サービスの手数料条件を調べたうえで、総会の議案として提案する流れになります。口座振替を廃止して全面的にクレジットカード払いへ切り替えるのではなく、口座振替と選択制にして段階的に導入する例が実務上は多く見られます。

導入前に確認しておきたいポイント

誤解しやすい点

よくある質問

Q: 管理費のクレジットカード払いに対応しているか、どこで確認できますか。

A: 現在契約している管理会社に直接問い合わせるのが確実です。管理会社によって全社的に対応している場合と、マンションごとの契約内容によって対応が分かれる場合があるため、「管理会社が対応している」という情報だけで判断せず、自分のマンションでの取り扱いを個別に確認してください。

Q: クレジットカード払いの決済手数料はどのくらいですか。

A: 一般的なクレジットカード決済の手数料は利用額の数%程度とされていますが、具体的な料率は決済サービス・契約条件によって異なります。導入を検討する場合は、候補となる複数のサービスから見積もりを取り、手数料率と負担者の取り決めを比較することをおすすめします。

Q: 口座振替からクレジットカード払いに全面的に切り替える必要がありますか。

A: 必須ではありません。口座振替を継続しながらクレジットカード払いを選択肢として追加する「選択制」で導入する例が実務上は多く見られます。急な全面切り替えは資金繰りや会計処理への影響が大きいため、段階的な導入を検討する管理組合が一般的です。

まとめ

管理費・修繕積立金のクレジットカード払いは、一部の大手管理会社や専用の決済代行サービスで導入が進んでいますが、対応可否はマンションごとに異なり、口座振替が依然として主流です。導入を検討する場合は、決済手数料を誰が負担するかを明確にしたうえで、支払い方法の追加という運用変更を総会に諮り、区分所有者の承認を得て進めることが実務上の基本になります。まずは現在の管理会社への対応可否の確認から始めるのが現実的な進め方です。

この記事について 本記事は、マンション管理費のクレジットカード払い・キャッシュレス化の考え方を紹介する目的で作成しています。対応可否・手数料条件・導入手続きは管理会社・決済サービス・マンションごとに異なるため、実際の導入検討にあたっては管理会社、必要に応じてマンション管理士へ確認してください。
最終確認日: 2026年7月13日 / 参照: 各管理会社公式サイト・決済代行サービス公式サイトの公表情報ほか

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