最終更新: 2026年7月8日
大規模修繕では、建築士事務所やコンサルタント会社に仕様書作成・見積り比較・工事監理を依頼する「設計監理方式」を採用する管理組合が増えています。一方で、コンサルタントと施工会社の関係性を確認せずに契約すると、比較検討が形だけになってしまうおそれも指摘されています。本記事では、コンサルタント選定時に理事会が確認しておきたいポイントを整理します。
設計監理コンサルタントは「管理組合の味方として施工会社を公平に比較してくれる存在」という前提で選ばれがちですが、その前提が崩れるとしたら独立性の問題です。コンサルタントが特定の施工会社から紹介料を受け取る関係にあれば、比較検討は形だけになりかねません。業務範囲や費用の算定根拠を確認する前に、まず独立性を疑ってかかるくらいの姿勢で臨むことが実務上は有効です。個別の適否は複数のコンサルタントから提案を受け、理事会・総会で比較検討したうえで判断してください。
設計監理方式は、管理組合が建築士事務所やコンサルタント会社と契約し、大規模修繕の仕様書作成、施工会社の選定支援(入札・見積り比較)、工事中の監理を任せる進め方です。管理組合や理事会だけでは専門的な判断が難しい部分を補う目的で利用されます。
これに対して、特定の施工会社に設計から工事まで一括して依頼する「責任施工方式」もあり、どちらの方式を選ぶかによって、コンサルタントの役割やチェックすべきポイントは変わります。本記事は設計監理方式を前提に整理しています。
設計監理方式のねらいは、管理組合の立場に立って複数の施工会社を公平に比較・評価することにあります。しかし、コンサルタントが特定の施工会社から紹介料や協力金を受け取る関係にある場合、比較検討が形式的になり、結果として管理組合の利益にならない選定につながる可能性があると指摘されています。
独立性の判断は管理組合だけでは難しい面もあるため、複数のコンサルタントから提案を受けて比較する、マンション管理士など第三者の意見を聞くといった方法を組み合わせることが現実的です。
コンサルタント費用は、固定額で提示される場合と、工事費に対する一定割合(歩合制)で算定される場合があります。歩合制の場合、工事金額が大きくなるほどコンサルタント側の報酬も増える構造になるため、費用の算定根拠と、業務範囲に含まれる内容を契約前に確認しておくことが重要です。
コンサルタントに見積もり比較や施工会社選定の支援を依頼する場合でも、管理組合側は見積もり比較で見る項目と業者選定の判断軸を把握しておく必要があります。防水工事の比重が大きい建物では、防水工事の見積もり条件も確認し、コンサルタント任せにせず理事会資料に残します。
コンサルタントの独立性や利益相反の有無は、管理組合が個別に調査・判断することが難しい場合があります。本記事は一般的な整理であり、個別のコンサルタント・施工会社の適否を判断するものではありません。本サイトは特定のコンサルタント会社・施工会社を推奨しません。
設計監理方式・責任施工方式のどちらを選ぶか、契約内容の細部の適否については、必要に応じてマンション管理士等の専門家に確認することを検討してください。
Q: 設計監理方式を使えば、施工会社選びで失敗しませんか。
A: 設計監理方式は比較検討を支援する仕組みですが、コンサルタントの独立性が確保されていない場合は効果が薄れるおそれがあります。独立性の確認は理事会として行う必要があります。
Q: コンサルタント費用はどのくらいが目安ですか。
A: 固定額か歩合制かで大きく異なり、建物規模・業務範囲によっても幅があるため、複数社から見積りを取って比較することが現実的です。個別の金額の妥当性は本記事では判断できません。
Q: コンサルタントを使わず、施工会社に直接依頼してはいけませんか。
A: 責任施工方式として広く行われている進め方であり、必須ではありません。どちらの方式にもメリット・留意点があるため、理事会で比較検討して選択してください。
大規模修繕コンサルタントは、施工会社の比較検討を支援する役割を担いますが、独立性が確保されていなければその効果は限定的になります。業務範囲・費用算定方法・独立性の3点を契約前に確認し、複数社の提案を比較したうえで、理事会・総会で判断を進めてください。
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