管理組合の教科書

修繕積立金の使途ルール

最終更新: 2026年7月26日

「修繕積立金があるから、この費用も出せるはず」という発想は要注意です。修繕積立金には本来の使途が定められており、日常的な支出に安易に流用すると、後年の大規模修繕原資が不足する事態を招きかねません。

結論

修繕積立金は、計画修繕(長期修繕計画に基づく大規模修繕等)や、災害・不測の事故による特別な修繕など、標準管理規約が定める特定の用途にのみ充当するのが原則です。日常の維持管理費用(清掃・電気代・管理員人件費等)は管理費で賄うのが基本であり、両者を混同しないことが会計の大原則になります。

修繕積立金を充当できる場合

標準管理規約では、修繕積立金の取り崩しが認められる場合として、①長期修繕計画に基づく計画修繕、②不測の事故その他特別の事由による修繕、③敷地及び共用部分等の変更、④建物の建替えに係る合意形成に必要な事項の調査、⑤その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理、を挙げています。個別の支出がこれに該当するかは、管理規約の実際の条文と照らして判断します。

管理費が不足したときに積立金へ頼れるか

管理費会計が一時的に不足したからといって、修繕積立金を安易に流用することは想定されていません。やむを得ず一時的に立て替える必要がある場合でも、総会決議など相応の手続きを経て、期限を定めて管理費会計へ返済する形にするのが一般的な考え方です。恒常的な管理費不足であれば、流用ではなく管理費の見直しで対応すべき問題です。

取り崩しの手続き

修繕積立金の取り崩しは、多くの場合、総会の決議(規約で定める要件)を経て実行されます。理事会だけで判断せず、使途・金額・時期を明確にした議案として総会に諮ることが基本です。

よくある質問

Q: 修繕積立金を管理費に流用すると規約違反になりますか。

A: 標準管理規約が想定する使途以外への充当は問題になり得ます。具体的な可否は各管理組合の規約の定めによるため、疑義がある場合は管理会社やマンション管理士に確認してください。

Q: 災害時の緊急修繕にはすぐ使えますか。

A: 「不測の事故その他特別の事由による修繕」に該当する場合は充当が想定されていますが、緊急時の意思決定プロセス(理事会限りで対応できる範囲)は規約により異なるため確認が必要です。

まとめ

修繕積立金は計画修繕・特別修繕等、規約に定められた用途への充当が原則です。管理費との混同や安易な流用を避け、取り崩しの際は規約の定める手続きを踏んで進めてください。

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このページについて本ページは、管理業務主任者資格保有者による実務経験25年超の知識をもとに、管理組合の一般的な運営知識として作成しています。個別の法的判断・税務判断・会計処理の代替ではありません。